景色通信Vol.75『緑の豊かな国』

  • 環境色彩研究会
  • 2022年10月26日

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 成長をつづける緑について考えたい。
緑は広がる、緑はつながる、緑はほぼ永遠である。時に緑は美しく色を変化させる。そして緑は地球環境にやさしい。しかし、生きている緑の世話には手がかかることも多い。
 景観形成にかかせない緑には、温室効果ガスを減らす効果もある。緑には豊かな土壌が必要になる。地域の環境にふさわしい樹木や植生がある。その地域らしい緑について考えることで、地域らしい色も観えてくるはずだ。
地球全体で持続可能な開発が叫ばれている今だからこそ、緑を活かした景観デザインをまちづくりのポイントとして考えたい。
 環境色彩をデザインする上では、塗装色や素材色の選定と同様に緑の質と量にもこだわりたい。環境の色とは上空から地域を鳥瞰したときに、人類全体の未来のために有効な景色でなければならないはずだ。
 樹木の名前だけでなく、それぞれの個性についても覚えるようにしよう。これからも住みつづけたい私たちの地球の色には、緑も青も含まれている。鳥に運ばれ風に乗って、そして人々の創造力で貴重な緑は増殖してくれるのだ。
 さらに豊かな緑と水の国、日本へ。緑の色を色彩の世界だけで観るのは、もったいない。(加藤進久)


その散歩道を幾度歩いただろう。幾度歩いても、今日も明日も。


だんだんと緑色が黄みがかる清々しい銀杏並木をゆく。


ただ気の向くままに歩きたくなる近所の哲学の小道です。


見ての通り、いや、緑はただ雑然としていても愛しい存在。