2021年3月28日(日)オンラインカフェスペシャル版 「名古屋の色についておしゃべりしましょう」開催報告

  • くらしの色彩研究会
  • 2021年03月29日

2021年3月28日(日)オンラインカフェスペシャル版 「名古屋の色についておしゃべりしましょう」開催報告

 くらしの色彩研究会では現在、「オンラインカフェ」と称して意見交換や勉強会等のzoomミーティングを定期的に開催している。この3月28日はDIC株式会社の岡 紗智子氏をゲストに迎え、オンラインカフェスペシャル版 「名古屋の色についておしゃべりしましょう」を企画し、会員14名が参加した。
 今回のトークテーマである「名古屋の伝統色」は、地域の魅力を発見するという企業の地域貢献の試みとして、2015年DICグループから発表された企画である。制作に関わったDIC株式会社の岡氏のお話をぜひ伺いたいという会員の強い要望により、今回ゲストとしてお招きするに至った。参加者からは事前に、尋ねたい質問や各自にとっての「名古屋の色」を集め、岡氏にお送りした。
 人気No1である名古屋カラーの名古屋城の金鯱色をはじめ、15の伝統色が、衣・食:建築・工藝・芸能・武将・祭・のカテゴリーに分類され、それがどのように選ばれたのか、その現場に携わる人の想いと共に、美しいスライドショーで紹介された。八丁味噌が年月をかけて熟成されることで、キラキラ輝く結晶になる様子、そしてその美しい黒褐色に驚いた。また、名古屋友禅の渋さと幽玄さを表現した単彩濃淡の配色は、職人さんのこだわりそのものであった。焼き物の釉薬3種を配色にした瀬戸焼の色には、土へのリスペクトと愛情を感じた。大勢の意見と多くの時間を重ねて伝統色が決まっていく過程とともに、個々の色に対する熱い思いとストーリーに感動した。
 質問コーナーでは、まず、他の都市の色が名古屋と比較しながら紹介された。また、印刷インクの奥深さ、石原裕次郎の歌に登場する「白い街名古屋」、名古屋の土の色、名古屋ウィメンズマラソンのピンク、バルセロナの空の色、北陸の砂浜の色、色名を由来とする地名など、質問やコメントは多岐にわたった。参加者の会話も弾み、タイトル通りカフェで気軽におしゃべりしているような楽しい会となった。(祖父江由美子)