景色通信Vol.32『イスタンブール ~ ヨーロッパとアジアが溶け合う街』
- 環境色彩研究会
- 2011年10月22日
景色通信Vol.32
『イスタンブール ~ ヨーロッパとアジアが溶け合う街』
ボスポラス海峡を境に西と東に分かれるトルコ最大の街、イスタンブール。西のヨーロッパ側には、歴史的建造物が集中する世界遺産の旧市街と金角湾を挟んで洗練されたショッピング街が建ち並ぶ新市街があり、東のアジア側は主に住宅街となっている。
今回初めて海外に行くことになったのだが、そこは日本では見られない異空間の世界が広がっていた。まず目にするのはイスラム教の教会、モスクである。トルコの国民の99%がイスラム教信者でありモスクの数も世界で一番多い。そのため、どこへ行ってもモスクはよく目にする。モスクも場所によって様々な個性があり、例をあげると規模は小さいがイズニックタイルが非常に美しいモスク、ブルーモスクとして有名な青色を基調とするスルタン・アメフット・ジャーミィ、長野の善光寺を連想してしまいそうなくらい異常に鳩が多いのでハトモスクと呼ばれるものもある。たとえ外は騒がしい物音が飛び交っていても中に入ると静寂になり、その神聖な空間には圧倒される。
モスクから目を離し、街の商店街に目を移せばグランドバザールなどがある。このような商業建築をチャルシュと呼び、伝統的に貴重品を扱うため強固な建築となっている。特に、オスマン建築の特徴のドーム(ジャーミィ)が印象に残る。それに対して、新市街に足を運べば旧市街とはガラリと変わり現代ヨーロッパ風のビジネス、ショッピング街になっており文化が混ざり合う不思議な街であった。
トルコには、多種多彩の個性があふれ見飽きることのない魅力がある。そして、街は人々の会話で賑わい、時間がゆっくりと感じられる。いったいなぜなのだろうか?日本ではこの時間をゆっくり感じる場が少ない気がしてならない。この旅をすることでその国の良さや、日本の良さと問題点を感じ、異文化に触れることの大切さを実感することが出来た。今後に生かすためのヒントが旅にはある気がする。(佐々木 大喜)
タイルが美しいブルーモスク内部
壁にたくさんの鳩がいる別名ハトモスク
グランドバザール:親日家のトルコ人がよく日本語で話しかけてくることが多い
イタリアなどのヨーロッパを思わせるような新市街、イスティクラール通り