景色通信Vol.56『アイルランドの古墳群』
- 環境色彩研究会
- 2014年09月05日
景色通信Vol.56
『アイルランドの古墳群』
アイルランドには広大な古墳群があります。タブリンからほど近いボイン川流域一帯は、ブルー・ナ・ボーニャと呼ばれる遺跡を中心とする集落で、世界遺産に指定されています。遺跡群と称するだけあって広大でここかしこに遺跡があり、ケルト語の標識に右往左往しつつ、ニューグレンジの巨大古墳に日没前に無事到着。閉館後の人波の静まった巨大古墳を遠望し、鳥と自然に囲まれ悠久の時を遡ります。
タラの丘は5000年前にその姿があったとも云われる周囲1000mもある丘陵です。アイルランドの伝説の王がその地を定めた政治的・精神的シンボルの地とされ、近代の民族隆起には集結の場にもなっています。こちらは入り口に全様を示す看板もあり、ケルト十字の墓石がある墓地を通り抜けると自然と丘に辿り着けます。
一帯は石と岩からなる中世のような風景で、映画「ブレイブハート」はスコットランドでの話ではありますが、アイルランドで撮影のほとんどが行われたそうです。英国同様、空はほとんどいつもどんよりしていますが、陽がさすと緑の平原は柔らかな雰囲気になります。点在する街にはモダンなホテルや色とりどりな連棟長屋もありますが、石積みの古城や古墳に身を置き、古代や中世にタイムスリップした気分を満喫するのも楽しいものです。(網村眞弓)
名誉革命後の戦闘も行われた日没前のボイン川周辺の古墳群。
古代アイルランドの政治的、精神的中心地とされるタラの丘。
映画「ブレイブハート」のロケでも使われたトリム城。
近郊の街で見かけたかなりカラフルな装いの連棟長屋。