第3回デザイン勉強会「祭りの色彩とデザイン」
- くらしの色彩研究会
- 2010年11月28日
「祭りの色彩とデザイン」と題し、林英光主査によるLC会員対象の第3回デザイン勉強会を、日本福祉大学鶴舞校舎にて開催しました。
日本の代表的な山の文化と海の文化の二つの祭りに、大旨どのような色使いの違いがあるのか意識しながら、鮮やかな画像を観ることから始まりました。
山の祭りは、信州諏訪地方最大の「御柱祭」。7年に一度4月と5月に諏訪大社上社・下社を舞台に、山の中から御柱として木を伐り出し、人力で神社まで曳いて、最後に社殿を囲むように四隅に建てる勇壮な祭りで、海のまつりは、水の都松江が誇る大船行列「ホーランエンヤ」。360年の歴史を有す日本三大船神事の一つといわれ、12年に一度、約100隻の船が大橋川と意宇川を舞台に繰り広げられる祭りです。
山の祭り「御柱祭」
海の祭り「ホーランエンヤ」
「御柱祭」と「ホーランエンヤ」の数多くの画像を観た後で、山の祭りは、
・真紅や青の単色の半纏と藍の股引のコントラスト感が印象的。
・旗や半纏が地区毎にまとまって使われている、シンプルな色使い。
・大地に根ざした黒と高彩度の勇壮で男性的祭り。
海の祭りは、
・大漁旗の鮮やかな色と共に、浅葱色や桃色、黄色などの柔らかい色がある。
・風にそよぐことを意識した、華やかな多色使いで女性らしさがある。
・観客を意識した見せる意味合いの個的色使いのお祭り。
参加者一人一人から、それぞれの視点での鋭い観察に基づいた意見が出され、山と海の文化を比較する中で、
日本人の暮らしと伝統的な日本のデザインのDNAを感じとることの出来る勉強会となりました。