2021年2月11日(木)山田晒染工業 オンライン見学会報告

  • くらしの色彩研究会
  • 2021年02月20日

2021年2月11日(木)山田晒染工業 オンライン見学会報告

 感染拡大を受け一気に需要が高まったオンラインでの見学会を、くらしの色彩研究会会員・山田季絵子氏の案内のもとで試みた。見学先は、山田氏のご実家、創業105年の山田晒染工業株式会社(大阪市)である。ニット、綿、化合繊などの晒、染色、整理加工を行う工場で、場所は神崎川沿いにある。初めてのオンライン見学のため、資料を共有するパソコンと実況中継するスマホを同期させて、映像や音声のテストをしてから実施した。
 見学は、職人が昔、布を口で咥えて染料を洗い流していた神崎川からスタートした。工場内には大型の機械が並び、漂白、染色、水洗い、プレス、たたみなど多くの工程を経て染め上がる様子がわかりやすい説明とともに伝えられ、臨場感あふれる見学会となった。仕上がりの色は測色データでなく職人の目視で管理されており、染色の微妙なさじ加減は職人の技や経験に依存していることなど、興味深い話も聞くことができた。お仕事中の山田氏のお兄様や、事業拡大された元気なお母様にも登場いただき、和やかな雰囲気で見学会を終えることができた。(疋田千枝)


パソコンで概要を説明後、スマホに切り替えてのライブ配信。


塩素晒工程。巨大な塩素釜で精錬・漂白を行う。


白をより白く見せるための青い顔料・蛍光剤。配合比は諸条件によって変わる繊細な作業である。


晒し方(漂白の仕方)の違いによる白色の違い。


優れた品質を誇る、「山田の黒」。


巨大な染色機での洗浄。


水を媒体として染色する「液流染色」。


ねじれた生地のシワや傾斜を修正する作業は、
熟練の職人による神業である。


美しい色彩に染まった生地が、乾燥・プレスされる。


山田氏は、靴磨職人御用達布の企画・開発も行なっている。
様々な色が魅力的だ。