(一社)日本色彩学会東海支部 2020年度第2回研究会 開催報告
- 2020年09月08日
(一社)日本色彩学会東海支部2020年度第2回研究会
「景観まちづくりと色彩」 今村洋一 先生(椙山女学園大学文化情報学部)
日時:2020年9月5日(土) 13:30〜15:00
WebExによるオンライン形式で実施
(参加者数:83人)
本年度第2回の研究会は、本学会外部から、都市計画やまちづくりがご専門の今村洋一先生をお招きし、景観まちづくりに関わる歴史的展開や、景観行政・法制度、都市デザインによる都市景観の創出、およびそれらと色彩との関わりについてお話を伺いました。景観色彩や建築デザインなどに関連したテーマであり、広く興味をもたれるであろうテーマでありますので、多くのご参加者がありました。報告者(羽成)が所属する本学会の「美しい日本の色彩環境を創る研究会(LOJ)」の問題意識と強く関わりますので、たいへん楽しみにしておりました。
今村先生はまちづくりについて実際に自治体の委員や都市計画に多く関わってこられました。研究業績はもちろん、まさに現場での活動実績が豊富です。法制度の特徴や多くの実践例の紹介などは非常に具体的で、貴重な学習の機会を得ることができました。たとえば、景観計画が実際にどのように作られるのか(具体的な策定は誰が行うのか、審議会のメンバーはどういう人たちなのか、策定作業はどう進められていくのか、規制・規準にはどのようなものがあるのか、色彩はどのように位置づけられているのか)の内容は、横浜市や長崎港周辺における都市デザインの事例とともに紹介していただけましたので、とてもよく理解できました。
終わりの方では色彩に関わる景観まちづくりの課題についてご提示いただきました。その中の話題の一つ、好ましい景観色彩として多くの場合低彩度が推奨されるが、建物の高さなどデザインに統一性があれば彩度が高くても面白い景観になることもある…という事例は、高彩度で騒色に溢れる多く景観の改善にも有効ではないでしょうか。
たいへん盛りだくさんの内容で、ひとつひとつのトピックにさらに教えていただきたい疑問・質問を見出した参加者も多いと思います。今後の続編あるいは数回の連続講座のような機会を期待しています。
本企画にご協力いただきました今村先生に、深く感謝申し上げます。ありがとうございました。
報告:羽成隆司(東海支部)