(一社)日本色彩学会東海支部 2020年度講習会および第16回東海ヤングセミナー 開催報告

  • 2021年03月23日

(一社)日本色彩学会東海支部2020年度講習会および第16回東海ヤングセミナー開催報告

2020年度 講習会
「DICカラーガイドシリーズのデジタル活用術」
講師:竹下 友美 先生(DICカラーデザイン株式会社)
第16回東海ヤングセミナー
「ムーン&スペンサーの色彩調和論およびその妥当性について」
  講師:深井 英和 先生 (岐阜大学工学部電気電子情報工学科)

日時:2020年3月13日13:00~15:15
参加者数:49名
Webexによるオンライン開催

 2020年度講習会および第16回東海ヤングセミナーが、2021年3月13日にWebexにて開催されました。講習会ではDICカラーデザイン株式会社 竹下友美先生をお招きし「DICカラーガイドシリーズのデジタル活用術」を、またヤングセミナーでは岐阜大学 深井英和先生をお招きして「ムーン&スペンサーの色彩調和論およびその妥当性について」をご講演いただきました。例年ヤングセミナーは大学院生や4年生の研究発表の場として開催されてきましたが、コロナ禍ということもあり今年度は若手の先生にお話いただくという形での開催となりました。

 竹下先生の講習会ではDICカラーガイドシリーズの歴史や塗料や印刷インキの特徴、色再現の違いについてお話いただきました。また後半にはiPhone、iPad、Macで使用できるDICデジタルカラーガイドアプリの機能や操作方法等について教えていただきながら、各自iPhoneやiPadで撮影した写真からマイカラーパレットを作成しました。カラーパレットにストックした色についても、RGB値やマンセル値等の他、色名の表示や材質の違いによる色の見え方、再現性の高いかどうかについても簡単に確認できることがわかりました。また色情報をメールで送りAdobeで使用することができるという機能についても教えていただきました。今後、様々な形でアプリを活用していきたいと考えています。

 深井先生には、ムーン&スペンサーの色彩調和論が提案された時代背景と美度の計算式の概要について詳しくお話いただきました。また後半には深井先生のご研究であるウェブ上の大規模データの解析によるムーン&スペンサーの美度評価法の妥当性について伺いました。ムーン&スペンサーの色彩調和論から80年近く経つこともあり、現在の世界中の人々がウェブ上で好ましいとする配色と美度の関係については興味深く拝聴しました。

 今回は盛りだくさんの内容で、非常に勉強になり、ご参加いただいた方々も有意義な時間を過ごされたことと存じます。
 今回の企画にご協力いただきました講師の竹下先生、深井先生をはじめ、お忙しい中ご参加いただいた皆様に感謝申し上げます。

東海支部 加藤千穂

(写真左より、竹下友美先生、深井英和先生)