公開シンポジウム:日本の絵の色 – 感性と科学との対話Part2

  • 2012年11月19日

日本色彩学会関東支部では,久々に日本の絵の色をテーマとしたシンポジウムを開催いたします.
平成20年に催した同名の企画では,日本画の色の持つ固有性をテーマといたしました.
今回はそのPart2として,細密で絢爛豪華な色彩が異彩を放つ伊藤若冲(江戸中期)と,
輪郭線を抑えて色彩のみでの空間表現を追求した菱田春草(明治期)という対照的な作風の画家を取り上げ,
彼らの色を捉える鋭いまなざしとその卓越した色彩表現に迫ります.
会員はもとより広く一般の方にもご来聴いただきたく公開シンポジウムと致しました.
色彩学会ならではの多彩な切り口のご講演にご期待下さい.
(日本色彩学会関東支部長 小松原 仁)

◎ 日  時:平成25年1月26日(土) 13:30~17:10 (開場13:00-)
懇親会 17:30~19:30

◎ 会  場:慶應義塾大学日吉キャンパス 第八校舎1階 (812教室)
住 所:〒223-8521 神奈川県横浜市港北区日吉4-1-1
最寄駅:日吉駅徒歩5分 ( 東急東横線.目黒線. 横浜市営地下鉄グリーンライン )
地 図:http://www.keio.ac.jp/ja/access/hiyoshi.html をご参照下さい.
( 構内マップ16番が第8校舎です. )
懇親会 英国風パブHUB 慶應日吉店

◎ 参加申込:記載事項を明記し「 日本の絵の色Part2.参加希望 」とお書き添えの上,
1月18日(金)迄に下記へお申し込み下さい.
(シンポジウム.懇親会:定員超過の場合はご連絡いたします.)

関東支部事務局(e-mail:kanto@color-science.jp/fax:045-566-1374)宛
記載事項 ①氏名 ②連絡先 ③会員(名誉/正/賛助) 学生(会員,非会員) 一般 の別
④懇親会参加の有無

◎ 参 加 費:シンポジウム 会員1,500円,学生(会員,非会員)1.000円, 一般3.000円
懇親会 3,500円
当日会場にて申し受けます.おつりのないようお願いいたします.
なお懇親会につき,申込み締め切り日以降のキャンセルはお店の都合でお受けできません。
ご了承下さい。

□ プログラム:開会(13:30-)

■ 講演1:伊藤若冲:『動植綵絵』に見る光と色の技(13:40-15:10)
小林 光夫 氏(電気通信大学名誉教授)
大住 雅之 氏(オフィス・カラーサイエンス)
鈴木 卓治 氏(国立歴史民俗博物館)

伊藤若冲(1716-1800)は,江戸中期に京都で活躍した日本を代表する画家のひとりである.
強烈な色彩対比をもつ独特の画風が印象的であるが,細部まで見ていくと,
さまざまの斬新な技法が確認でき非常に興味深い.
さきごろ,NHKが若冲最盛期の代表作である「動植綵絵」(1757-1766 )を中心に特集番組を制作した際,
高解像度画像の色彩分析を行う機会を得た.
今回は,変角分光測色による裏彩色(うらざいしき)の分析や,
絵画画像の画素ごとの測色値による種々の色彩効果の分析を中心に,若冲の絵画の謎に迫る.

■ 講演2:菱田春草の時空間と色彩(15:20-16:20)
小町谷 朝生 氏 (東京藝術大学名誉教授)

菱田春草(1874-1911)は長野県飯田の産である.
飯田線がまだ走っていなかったころに東京美術学校に入ったので,
東京に行くまでの苦労は大変だったらしい.
何しろ何日もかけて現在の中央線に乗れる場所まで歩くわけである.
美術学校に入って先輩の横山大観と無二の親友となる.
二人でインド,アメリカと旅行した時には,
速筆の二人が席画をたくさん描いてかなりの収益だったらしい.
しかし,それ以外のことは知らないので,私の子供のころの話でお茶を濁す.
春草の長兄が私の母方の祖父で,
その祖父のところで小学校に入る迄の数年間を過ごしたからである.

■ 総合討論 (16:30-17:00)  司会 小松原 仁 ( 関東支部長 )

閉会・インフォメーション(17:00-17:10)

(企画担当:日本色彩学会関東支部 遠山令子,鹿目理恵子)