(一社)日本色彩学会 2021年度(第4回)
『MIC(Most Impressive Color)2021』
〜2021年を彩った色〜 結果発表

 第4回の2021 年度も, 『MIC(Most Impressive Color)2021』〜2021 年を彩った色〜として,一年間を色彩という目線から振り返り, その年のイメージを共有するべく, 2021年を代表する色を募集いたしました. 日本色彩学会にて厳正に選考した結果, 下記の色を『MIC 2021』〜2021 年を彩った色〜として決定させていただきました.

「赤」

 「赤」は応募総数の約20%, 5人に1人の支持を得ました. 「赤」が選ばれた理由は一長一短でしたが, 主に3つの複合的要因で第1位となりました. まず, 約一年延期された第32回オリンピック競技大会(2020/東京)の開催に伴い, 聖火, 国旗の日の丸, 日本代表選手団が着用したユニフォームの色などとして最も多く挙げられました. また, アメリカン・リーグMVP(最優秀選手賞)を受賞した大谷翔平選手の所属するロサンゼルス・エンゼルスのチームカラーとしても多くの方が併記されました. 無観客開催となった東京2020や大リーグで活躍する選手の姿は, モニタを通して感動を与え、勇気づけてくれたとして理由を記入いただきました. 最後に, 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連して, 緊急事態宣言発令中を示した通天閣やレインボーブリッジの赤点灯, 街中の赤いポスターや警戒サイン色としても挙げられました.
 第2位〜第6位は応募数の多い順に, 「白」, 「金」, 「緑」, 「青」, 「黄」で, それぞれ応募総数の約10%程度で僅差でした. 「白」に関しては昨年に引き続き医療従事者の白衣やマスクを着用する期間が想像以上に長引いたこともあり不織布マスクのイメージとして, 新型コロナウイルスの新たな変異株が懸念されて以降は「白」の応募数が増加しました. 「金」は東京2020で史上最多の金メダル数を獲得したこともあり, オリンピックが主な理由でした. 「緑」はコロナ禍を経てSDGsへの関心が高まったこと, 2021年のファッショントレンドカラーとして取り入れた方が多かったことが理由でした. 「青」に関しては嗜好色として選んだ大学生が多く, 青系統の色の語彙表現が豊かで, 東京2020の公式エンブレムに採用された「藍色」の他, 緊急事態宣言発令中のオンライン授業やリモートワークでのzoomのアイコンカラーの「水色」, ステイホームにより自宅から眺める「空色」, 緊急事態宣言解除後の空の色を「天色」など, 他の色と比較して多彩な表現が特徴的でした. 「黄」はコロナ禍の余談を許さない状況として黄点灯のイメージ, ワクチンの開発によりコロナ禍の終息への光が見え始めた希望を感じさせる色として両極端な理由が挙げられました.
 「赤(レッド)」の応募者より抽選にて当選者を選定し, 2022年3月21日(月・祝)午後にオンライン開催予定のICD(International Colour Day)2022にて表彰式を執り行います. 決定色当選者および応募時に応募者優待を希望された皆様には, ICD開催前に改めてご連絡をさせていただきます.
 日本色彩学会員の方はもちろん, 色彩に携わる幅広い方々のご協力を賜り, 皆様から予想を上回る多数の参加応募をいただきましたこと, 心より感謝申し上げます.

2021年12月28日
(MIC・ICD担当:高田)




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