(一社)日本色彩学会 2023年度(第6回)
『MIC(Most Impressive Color)2023』
〜2023年を彩った色〜

 第6回の2023年度も, 『MIC(Most Impressive Color)2023』〜2023 年を彩った色〜として,一年間を色彩という目線から振り返り,その年のイメージを共有するべく,2023年を代表する色を募集いたしました.日本色彩学会にて厳正に選考した結果, 下記の色を『MIC 2023』〜2023 年を彩った色〜として決定させていただきました(図1).


「黄」

 本年度は野球, バスケット, ラグビー, サッカーなど, スポーツに関連して「黄」, 「赤」, 「青」が多くの支持を得ました. 新型コロナウイルス対策としたマスク着用は3月より個人の判断に委ねられ, 5月からは新型コロナウイルス感染症状の位置づけが5類へ移行し, 行動制限緩和と夏の記録的な猛暑で, 屋外でマスクを着用する人は徐々に少なくなりました. 約4年ぶりに復活した対面行事も多く, スポーツ観戦での声出し応援が可能となりました.
 第1位の「黄」は日本プロ野球で阪神タイガースが38年ぶりに日本シリーズ2023を制覇したことから, 阪神タイガースのチームカラーとして最も多く挙げられました. 応募期間と阪神タイガースの優勝の時期が重なっただけでなく, 岡田彰布監督がリーグ優勝に向けて「優勝」を表現した「アレ(A.R.E.)」が今年の世相を反映した言葉として『新語・流行語の年間大賞』で年間大賞になったこともあり, 全国的に応募数が増加しました. また, 世界的にコロナウイルスが緩和され, 人の動きの活発化, 人と直接触れあえる喜び, 周りの人の笑顔など, 明るいイメージの象徴としても「黄」が選出されました. 第2位の「赤」はFIBAバスケットボールワールドカップ2023でパリ五輪出場を獲得した際の日本代表選手のユニフォームカラー, ラグビーワールドカップ2023 で健闘した日本代表選手の赤白ボーダーのジャージカラー, アメリカン・リーグ2023で ホームラン王を獲得した大谷翔平選手が所属していたロサンゼルス・エンゼルスのチームカラーなどが主な理由として挙げられました. また, 全国的な猛暑に関連して, 秋の彼岸後の9月下旬になっても異例の厳しい残暑が続き,熱さのイメージは「赤」で応募いただきました. 第3位の「青」はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2023で優勝した日本代表チーム「侍ジャパン」のユニフォーム色, サッカー日本代表を象徴する色として応募いただきました. また, 環境意識の高まりから海や空のイメージとして, 自由に外出できる開放感, 青空をイメージしたブルー, 猛暑続きで清涼感をアピールしたブルー系の店舗ディスプレイ, などが選定理由に挙げられました. 第4位の「黄赤」はウィズコロナ期からアフターコロナ期に移行する明るい方向に向かいつつある暖かさの兆しとして, 「白」は従来の決まりや風潮, 考え方などがリセットされ, 色々なことが改善に向けて考え直された新しい可能性に向けて進むのにふさわしい年, 将棋の藤井聡太八冠の白星などとしての応募をいただきました.

 「黄(イエロー)」の応募者より当選者を選定し, 2024年3月20日(水・祝)午後にオンライン開催予定のICD(International Colour Day)2024にて授賞式を執り行います. 決定色当選者および応募時に応募者優待を希望された皆様には, ICD開催前に改めてご連絡をさせていただきます.
 本年度も日本色彩学会員の皆様, 色彩に携わる幅広い方々のご協力を賜り, 多数の参加応募をいただき, 誠にありがとうございました.  次年度MIC 2024も何卒ご支援を賜りますよう宜しくお願いいたします.


2023年12月29日
(MIC・ICD担当:高田)




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