美しい日本の色彩環境を創る研究会 2021年度第2回研究会 「「かごんまの色®︎」で地域を元気に!〜色彩を活用した地域ブランディング〜
- 美しい日本の色彩環境を創る研究会
- 2022年02月14日
美しい日本の色彩環境を創る研究会 2021年度第2回研究会
「「かごんまの色®︎」で地域を元気に!〜色彩を活用した地域ブランディング〜」
2022年1 月23日(日)に、美しい日本の色彩環境を創る研究会2021年度第2回研究会、「「かごんまの色®︎」で地域を元気に!〜色彩を活用した地域ブランディング〜」が、オンラインで開催されました。講師を務められ、「かごんまの色®︎」を開発された鹿児島大学の牧野暁世先生は、鹿児島県からオンラインを通してご講義くださいました。
内容構成は、1、色は地域の魅力づくりに寄与できるか。2、「鹿児島県らしい色」の考え方。3、「鹿児島県らしい色」の策定方針。4、「かごんまの色®︎」で地域が元気になるのか。続いて質疑応答でした。
ご研究は、先行事例である「札幌の景観色70色カラーチャート」などを念頭に、色を切り口に鹿児島県の地域活性化やブランディングができないかという点から着想されました。「鹿児島県らしい色」の考え方については、既に憲章とロゴマークがあり、ロゴマークの方が使われていることや、以前に行われた「鹿児島の黒」キャンペーン等挙げられ、それらが構想の下地となられたそうです。「鹿児島県らしい色」の策定方針については、色によるブランディングをするにあたり、地域の方の思う鹿児島らしい色・未来へつなげたい色を抽出することに決定され、「未来へつなげたいかごんまの色総選挙」へと繋げられました。「未来へつなげたいかごんまの色総選挙」は、「鹿児島県らしい」地域資源として抽出した138種の言葉を色変換したものを色票にて提示し、イベント時に投票の機会を設け、最終的には1530名もの方からの投票がありました。そして、その模様は地元メディアでも取り上げられました。結果は、上位色ほど鮮やかな傾向が見られました。その上位20色を示した「かごんまの色®︎カラーガイド」の試作、「かごんまの色60人会議」、職人・デザイナーへのヒヤリングを経て、「かごんまの色®︎」が策定されました。「かごんまの色®︎」はカラーセットの総称で、上位20色を基に調整を加えて18色に絞った「まっぽしトーン」(全体的に鮮やかな色)と、その他の色に基づいた「わっぜかトーン」63色が策定され、薩摩切子をモチーフとするロゴマークも作成されました。その後、登録商標化され、現在では、鹿児島県の企業にご使用いただく事例も増え、牧野先生ご自身が伝統的なあづま袋からデザインされた「あづまバッグ」は、「2019かごしまの新特産品コンクール」鹿児島県知事賞を受賞され、ふるさと納税の返礼品にも選定されました。
1時間半の予定であったため、一度予定された時間で解散し、希望者は継続して残り、質疑応答や会話が続けられました。
*参考資料:「かごんまの色®︎ まっぽしトーン編<第2版>」(配布資料)、「未来へつなげたい かごんまの色総選挙」投票結果(配布資料)、ふるさとチョイス
(https://www.furusato-tax.jp/product/datail/46219/4958578)
(大倉 素子)