景色通信Vol.27『希望をはぐくむ色』
- 環境色彩研究会
- 2019年07月16日
景色通信Vol.27
『希望をはぐくむ色』
大空へぐんぐんと伸びているスカイツリーは、もうじき400mを超える。
足もとの業平橋付近では、日に日に見物客が増えているらしい。近くから建設中の塔を見上げていたら、まるで生き物のように感じられた。新名所になることは明らかだが、周辺の家並みとのギャップが景色として面白い。時間があれば、観光ルートが出来上がる前に眼に焼き付けておくべきだろう。色即是空と唱えたくなる程に空になじむデザインだと思う。夜間照明で観る姿も、さぞ美しいだろうと想像できる。船に乗って水上から眺める、少し贅沢な観光にも人気が出てきたようだ。その成長を見守る瞳には未来が輝いているかもしれない。
一方で、東京タワーの夜間照明の演出にも興味をひかれる。今年、南アフリカで開催のワールドカップ日本代表を応援する、青色のライトアップが試合の夜と翌日の夜に行われている。ジャパン・ブルーの演色は、見慣れた姿からの一時的な変身であっても、人々に新鮮な印象と驚きや感動をあたえてくれる。道行く人々も日本イレブンの活躍を期待しながら、自らも希望が湧いて前向きに歩いていけそうな気持ちになる。(加藤進久)
それは、大空に溶け込むように伸びている。
ふたつのランドマークの意味性を想いながら歩くのも一興。