景色通信Vol.42『水都大阪シティーを歩く』
- 環境色彩研究会
- 2019年07月17日
景色通信Vol.42
『水都大阪シティーを歩く』
大阪のまちづくりから目が離せない。水都をかかげての景観整備は、生活する人や観光で訪れる人に快適さと期待感をもたらし、リバーサイドを歩く楽しさを実感させてくれる。水上を行き交う船と近代建築を交互に眺めながら進めば、気ままな歩行者は爽快な気分になれるだろう。道路や地下鉄網が整備されることは便利だが、その昔に盛んだった水運は、今の交通にはなじみにくい「時間」を提供してくれる。ゆっくり考えることや、おしゃべりをしながら楽しく移動することも時には必要だと思う。
大阪を訪れるたびに水辺を散策してみるのもよい。難波に都があった古代、水上交通が盛んだった難波津は、街の中心部を川が囲むような水の廻廊になっている。津とはもともと船着き場の意味であり、ここ大阪は水利機能を活かしたまちだった。天気がよい日には、船に乗って観光してみるのもよいだろう。リバーウォークをしていると、季節ごとの催しや思いがけない出会いもありそうだ。そろそろ自分も、ゆっくりとした足取りで歩くことを意識しよう。そうすることで、街中の色々な魅力を発見できることが、人生の楽しみになりそうな気がする。(加藤進久)
心地よい風をうけながら堂島川沿いを歩く
地下鉄も運行しているので、交通の選択も便利だ
帆船と竹の生命力をイメージした国立国際美術館ゲート
人々をつなぐ輪として活気溢れる大阪ステーションシティ