景色通信Vol.44『大阪ミナミの創作点描』

  • 環境色彩研究会
  • 2013年01月29日

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景色通信Vol.44
『大阪ミナミの創作点描』

日常風景の中に突然、その姿は現れる。一瞬ハッとして歩行を止める人もいるだろう。ここ難波駅近辺ではたくさんの発見がありそうだ。
どう見てもアミューズメント感溢れる難波八坂神社の境内、そのジャンボな狛犬の下では、地域の女性が早朝の落ち葉掃きをしていた。この異質感がたまらなくミナミという地域色だと思う。仏教とともに伝来した魔除けの唐獅子像は、日本で独特の姿カタチに変化した。狛犬とは想像上の獣である。イマジネーションを働かすことは、神仏の世界でも尊い教えの一つに違いない。
つづいて道頓堀川方面へ。現在進行中の水辺整備の進捗に心ときめかせて、湊町リバープレイスに向かった。最初に目撃した時は「謎の円盤は、何だ?」という驚きがあるかもしれない。空から飛来したかのようなライブホールの中に、高速道路が貫通しているような未来的アーキテクチャーなのである。その八角形のフォルムはミナミのランドマークになっていて、休日にはフリーマーケットやチャリティイベントなども行われている。
これからもさらに混成モダンに進化をつづけるミナミ界隈。ほんの少し歩いてみるだけで、次々と姿を表すミナミのびっくり仰天の数々。再び訪れた時には、どんなサプライズが待っているだろうか。今から楽しみである。(加藤進久)


誰かに話さずにはいられない獅子殿は衝撃。しかし大きい!


いたるところに橋がかかる「浪華八百八橋」の大阪


円盤のようなライブホールが近未来的で楽しい


釣人もいる水辺は人を優しい気持ちにしてくれる