測色研究会 2013年度研究発表会のご案内

  • 測色研究会
  • 2014年01月07日

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測色研究会 2013年度研究発表会のご案内

2013年度研究発表会の開催について御案内申し上げます.今回の発表は厳正な審査を経た結果,6件となりました.また特別講演2件を予定しています.
特別講演の1件目は東京藝術大学の桐野先生を講師に迎え,文化財に関する走査電子顕微鏡やX線回折等の高度な表面分析機器を用いての解析事例をご紹介します.最新の分析機器を用いることで,文化財の劣化や製作技法の解明等,具体的にどのような事を知る事ができるのか,お話頂きます.特に測色は質感と相まって表面構造の影響を常に考慮する必要があり,今回取り上げる表面分析に関する知見は,色の発現のメカニズムと結びつく,大変有意義な情報となります.
2件目は産業技術総合研究所の蔀先生を講師に迎え,特に測色に関する標準化の観点からご講演をお願いしました.先ごろ白色板校正値の国際整合性の根拠となるCCPR-K5(分光拡散反射率)の最終報告書が発表されました.今回の発表を踏まえ,現在の白色標準に関する状況と,波長拡張等の開発状況等の今後の展望についてお話し頂きます.当研究会の一つの役割である,産官学が一体となる測色に関する社会的なインフラの発展につなげる意図を込めての講演です.尚,内容をより深く掘り下げる為,講演に引き続きパネルディスカッションも開催します.
以上,皆様の参加をお待ちしております.宜しくお願い申し上げます.

測色研究会 主査 大住 雅之,武井 昇

1.研究発表会実施概要
日時: 2014年2月14日(金)10:00 ~ 17:30 (総会含む)
場所: タワーホール船堀 307会議室
〒134-0091 東京都江戸川区船堀4-1-1 TEL:03-5676-2211 (都営新宿線船堀駅隣接)
参加資格: どなたでも参加頂けます.参加費用は無料です.
懇親会: 発表会の後,ささやかながら懇親会を予定しております.

2.プログラム
9:30~10:00 開場 受付
10:00~10:05 挨拶 開催要領説明

セッションⅠ:質感(座長 土田勝 日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所)

10:05~10:35 Ⅰ-1.「黒漆の表面特性とその感性評価 -被験者群間の比較-」
*坂上雄軌,高橋良武,石川智治,松島さくら子,阿山みよし
(宇都宮大学大学院工学研究科)
10:35~11:05 Ⅰ-2.「肌の分光イメージング計測と画像評価」
*大住雅之(株式会社 オフィス・カラーサイエンス)

特別講演Ⅰ:

11:05~12:05 「自然科学の眼で見た文化財 ~制作技法と劣化機構の解明~」
講演者:桐野文良(東京藝術大学大学院)
講演概要:
人類の貴重な財産である文化財をより良い状態で後世に伝えていくのは現代を生きる我々の責務である。そのために、現存する文化財の劣化状態や制作技法の解明を行っている。そのなかで、金属文化財である文政一朱金および明和5匁銀(いずれも江戸時代の貨幣)の表面層の解析および油彩画に用いられた材料と重ね塗りの技法(重色技法)の効果の解明を取上げる。
文化財の表面は制作当時の技法や伝世過程での劣化などの情報が含まれる。文化財調査においては可能な限り非破壊あるいは極微少量の試料採取で行う必要があり、そのためにX線や紫外光、赤外光等の電磁波や走査透過電子顕微鏡を用いる。ここでは、その手法と解析の一例を紹介する。

12:05~13:15 (昼食)

セッションⅡ:測定解析(座長 武井昇 群馬職業訓練支援センター)

13:15~13:45 Ⅱ-1.「世界の色票の測色学的調査研究」
*増田豊(関西ペイント 株式会社)
13:45~14:15 Ⅱ-2.「光学的手法および表面微細構造解析による江戸時代銀貨の色彩の検討」
*田口智子,桐野文良(東京藝術大学大学院),
大住雅之(株式会社 オフィス・カラーサイエンス)

セッションⅢ:色差・測色 (座長 小林信治 一般財団法人 日本色彩研究所)

14:15~14:45 Ⅲ-1.「光輝材を含む塗色に対するマルチアングル測色と目視評価の関連付け-2」
*若井宏平(株式会社 クリイノ創研)
14:45~15:15 Ⅲ-2.「高速非接触インライン測色システム」
*小林徹(コニカミノルタ 株式会社)

15:15~15:30 (休憩)

特別講演Ⅱ:

15:30~16:30 「標準白色板のトレーサビリティと国際整合性」
講演者:蔀洋司(産業技術総合研究所)
講演概要:
一般に測定の信頼性を得るためには,トレーサビリティを確保することが重要である.本講演では,反射物体色測定の校正基準となる標準白色板について,我が国におけるトレーサビリティ確立に向けて産総研で行われてきた,分光拡散反射率標準および校正技術開発について述べる.また最近,分光拡散反射率の国際比較(CCPR-K5)の最終報告書が発行されたので,日本の標準の国際整合性の程度について報告すると共に,当該比較を通じて明らかとなった分光拡散反射率の高精度測定における課題を考察する.併せて,校正波長範囲の拡張や変角測定のための標準開発など,最新の研究動向についても紹介する.

パネルディスカッション:

16:30~17:10 「測色の国際標準と校正ニーズ」
パネリスト 蔀洋司 (産業技術総合研究所)
馬場護郎(株式会社 村上色彩技術研究所)
コーディネータ 大住雅之(株式会社 オフィス・カラーサイエンス)
内容:
講演に引き続き,白色板の校正ニーズについてその必要性と社会的な意義について概観すると共に,今後のあるべき姿について討論する.パネリストからは過去の経験を踏まえ,その歴史的な変遷を解説頂き,将来の方向性へと結び付けていく.尚,コーディネータは昨年,欧州での活動中にドイツの機関であるPTB (Physikalish-Technische Bundesanstalt ドイツ国立理工学研究所)による多角度の校正サービスを行った標準白色板の提供に接する機会を得たので,その際の様子についても紹介する.尚,PTBはCCPR-K5のドイツに於ける参加機関でもある.

総会:
17:10~17:30 今年度の報告と共に,来年度の活動計画について,総会を開催します.また、AIC2015の
日本開催に関する紹介を行います.

懇親会
18:00~20:00 会場の近くで2時間ほど,ささやかながら懇親会を予定しています.参加希望者は申込みの際に合わせてご連絡下さい.会費は4~5千円程度で当日,懇親会の際に徴収します.

3.参加申込方法
参加費: 無料 (参加者には当日,発表論文集を配布します.)
申込方法: 氏名,連絡手段(住所、電話番号、e-mailアドレスのいずれか),測色研究会員・非会員,
一般,学生の区別を,下記宛てご連絡下さい.
e-mail: ken-suzuki@mcrl.co.jp
※懇親会参加の予定を併せてお知らせください.
申込締切: 2014年2月10日(月)
※会場の都合により先着40名で締切らせて頂きます.皆様の参加をお持ちしております.

4.会場案内

以上