景色通信Vol.57『モリスが愛でた湖水地方』

  • 環境色彩研究会
  • 2014年10月31日

[PDF版はここをクリックしてください]

景色通信Vol.57
『モリスが愛でた湖水地方』

ウィリアム・モリスは多岐に渡る芸術活動で日本でもその名を知られます。コッツウォルズの田園地帯に、彼が世界で一番美しいと愛でた景色があります。英国人は自然を愛し、家や庭づくりを景色の一部として整えますが、その風景は息をのむように美しく、白鳥やカモが景観に溶け込みます。
湖水地方には英国の誇るマナーハウスも点在します。内部の装飾はそれぞれ趣があります。伝統ある古い城を使用するものも在りますが、食を売りに、綺麗にリノベーションされているものも多く、格式あるサービスで、新旧融合した滞在が楽しめます。
街と街は離れており、また、マナーハウスはお城や邸宅を使用しているものが多いので、街からの距離があります。英国では自分で家のメンテナンスをする人もいます。村では、ご主人のお祖父さんがお婆さんと話しながら、長い柄のローラーでペンキ塗りを楽しんでいました。
この辺りでは自然と住宅や邸宅、庭との調和が見どころです。中心の住宅や蜂蜜やジャムの御買い物だけでなく、小路の散策をすると、ひょっこり現れるあひるや白鳥、カモや小鳥を楽しむこともできるので、ぜひ途中やその周辺も散歩すると楽しいでしょう。(網村眞弓)


荘園領主の邸宅は、花々や樹木を尊重した蜂蜜色の石造りの家々。


時間をかけても自分で家の壁を塗ることは自然な行為。


心が落ち着く室内は、出来ればゆっくりと滞在したい。


のんびりと散歩を楽しむ。本当の贅沢を感じるひととき。