景色通信Vol.61『馬込文士村』

  • 環境色彩研究会
  • 2016年01月14日

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景色通信Vol.61
『馬込文士村』

東京都大田区の大森駅・南馬込・西馬込・馬込駅周辺に、大正末期から昭和初期にかけて、五十人以上の文士や芸術家が暮らし、交流が盛んに行われていた。その人達の旧居や記念館や因みの寺社が多く残り、「馬込文士村」と呼ばれている。文豪たちはどのような色彩環境の中で作品を紡ぎ出したのだろうか。
環境色彩研究会の幹事会で、2016年の春に「馬込文士村の見学会」を開催しようと言う企画が持ち上がり、下見を兼ねて、大森駅西口周辺を散策してみた。
建物は曲がりくねった坂の多い住宅街のなかに点在しているので、多くは見学出来なかったが、大森貝塚、日枝神社、大森不動尊、尾﨑士郎記念館、徳富蘇峰の山王草堂記念館を訪れてみた。
その時に撮影した写真と、抽出した外装色を示すデータのフォーマットを作成したので一例を紹介する。見学会で集まった写真を統一した形式でまとめることができれば、当時の景観を思い描いたり、色彩構成を研究する上でとても面白いと思う。(永田泰弘)


稽古をした大ケヤキが今も庭に立つ相撲愛好家だった尾﨑士郎。


モノトーン基調のなかに茶系色や成熟した自然の緑が香る。


酒と相撲を愛した尾﨑士郎のたたずまいを感じる。


昭和の色の中で書かれた人生劇場の尾﨑士郎記念館。