2011年4月2日(土) アート&サイエンスセミナー2011・第2回開催のお知らせ

  • 画像色彩研究会
  • 2011年03月16日

日本色彩学会 画像色彩研究会
アートアンドカラーセミナー2011「絵画の色彩とマチエール」
第2回セミナー開催のお知らせ

主査 鈴木卓治

アートアンドサイエンスセミナー2011では,「絵画の色彩とマチエール」
というテーマで,美術の技法,認知科学・脳科学,数理,測色,修復など
様々な視点から議論を行う企画を実施する予定です.

第2回セミナーを下記のとおり開催いたします.ふるってご参加下さい.

認知・脳科学がご専門の本吉勇先生に「西洋絵画と東洋絵画の違いは何から
生じているか」という刺激的なテーマで話題提供をいただきます.
統計的,認知科学的,かつ文化人類学的な視点を交えた大変興味深い内容です.

ご参加希望の方は3月25日(金)迄に福本麻子幹事fukuasako@gmail.comまで
ご連絡下さい.合わせて,今回のテーマに関するディスカッションや話題
提供がありましたら募集しますので,同じく福本幹事宛にメールにてご提案
を頂ければと思います.

皆様のご参加を心よりお待ちしております.

■テーマ:【議論】「絵画様式の生態光学的起源について~ 西洋絵画と東洋絵画を
例に」
■日時:4月2日(土) 14時~16時
■話題提供者:本吉 勇氏(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)
■定員:15名
■場所:日本色彩学会会議室 東京都新宿区下落合3-17-42 Tel&Fax 03-3565-7716
■内容梗概
伝統的な芸術作品は膨大な数の人間の知覚判断の産物と見なすことができる.
では,脳知覚系の特性が地域や時代によらず一定なのに,異なる地域の芸術様式
がしばしば大きく異なるのはなぜだろうか?
私はここで,西洋と東洋(北東アジア)の絵画様式の対比を例に,そうした違い
が地域の生態光学的環境に起源をもつという説を提案する.地中海気候における
照明は高い方向性をもつのに対し,モンスーン気候帯のそれは雨や霞のため等方
的になる傾向がある.光学シミュレーションと画像統計分析から,前者の照明は
三次元物体の画像に多階調の陰影と鋭いハイライトをもたらすのに対し,後者の
照明は深い凹部分にのみ陰影を生じハイライトを著しくぼかすことがわかった.
これらの視覚特徴は,東西の古典絵画様式のもつそれとよく一致する.それは西
欧画に特徴的なキャストシャドウやハイライトの描写が東洋画では完全に欠如し
ているという事実もうまく説明する.
■アートアンドサイエンスセミナー幹事:福本麻子,粟野由美

以上.