色彩教材研究会 速報 2013-10 特別セミナー「デザインと色材の関わり-彩色・加飾のための材料-」報告

  • 色彩教材研究会
  • 2013年10月10日

特別セミナー「デザインと色材の関わり-彩色・加飾のための材料-」が平成25年9月29日(日)に、渋谷区文化総合センターにて開催されました。
有料参加者(研究会会員:2,000円、会員外:3,000円)が41名、幹事等9名を加え合計50名の参加がありました。
講師はDICカラーデザイン株式会社の竹下幹事が務め、セミナーの内容は以下の通りでした。
●セミナーの概要
塗料や印刷インキをはじめ、建築物や工業製品などを彩色するための着色材料(色材)の主な特徴や用途が解説されました。また、建築・グラフィック・プロダクト等のデザイン分野における、材料選択の考え方や色彩表現の事例が、豊富なビジュアルとともに紹介されました。
その内容は以下の通りでした。

1) 色再現の原理(スライド:15枚)
◇色が見えるしくみ:光の性質/モノの性質/目の性質
◇色再現の原理:色の知覚に関係する要素/色光の色再現/色材の色再現
/色再現の方式によって異なる色域/照明による色の見え方の違い
◇顔料と染料:特徴と用途/顔料の性質を左右する因子/顔料の粒子径による発色性の変化

2) 彩色・加飾に用いられるさまざまな色材(スライド:36枚)
・顔料を使用した色材の用途
◇塗料:塗料の役割・主な用途/塗料の構成/反射の違いによる光沢感
/光輝材の構造と発色原理/カラーコミュニケーションツール/塗装方法
◇印刷インキ:印刷インキの役割・主な用途/印刷インキの構成/特色インキ
/プロセスインキ/カラーコミュニケーションツール/印刷方法
◇プラスチックの着色剤:プラスチック着色剤の役割・主な用途/プラスチック着色剤の形態/カラーコミュニケーションツール/成形方法
◇色材の発色性と耐久性について:顔料の堅牢性/有機顔料の堅牢性と用途/印刷インキの耐性

3) デザイン領域と色材の関わり(スライド:23枚)
◇建築・空間デザインと色材:住宅・商業施設/塗装化粧板/インテリア空間/各種不燃化粧板/人工皮革用着色剤
◇パッケージデザインと色材:広色域印刷/疑似エンボスコーティング/意匠性フィール/梨地フィルム/ラミネート缶用ニス・接着剤
◇プロダクトデザインと色材:自動車/電化製品/インサート成形/水圧転写

展示品
講演内容の参考品として、「塗料用標準色」、「JPMA景観色標準体系」、「JIS標準色票」、「RAL」、「NCS」、「DICカラーガイド」、「「PANTONEプラスチックカラーシステム」など、20点以上の色見本帳類が展示されて、北畠顧問から解説がなされました。

●色彩教材の頒布
予め学会のホームページで紹介しておいた頒布教材(PPTX)9点(1点500円)の内容のコピーを会場内に回覧して希望をとりました。頒布教材の購入者は21人、延べ頒布データ数133と、初めての試みとしては、大変好評でした。頒布代金は色彩教材研究会と出品者が折半するシステムです。
1)内容を確認して、2)注文し、3)データをUSBメモリーに記録し、4)代金の受け渡しをするという、一連の過程を効率よく行なう、このシステムを定着させたいと考えています。教材の交換市場のような形になれば研究会員の方々のお役に立てるのではないのでしょうか。
(文責:永田泰弘)