景色通信Vol.52『岩肌に冴えるコネマラの白』

  • 環境色彩研究会
  • 2013年10月18日

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景色通信Vol.52
『岩肌に冴えるコネマラの白』

景色紀行として、アイルランドとコッツウォルズの湖水地方につきご紹介します。先ずはアイルランドのレンスター地方ダブリンを起点にゴールウエイ州・クリフトゥンまでの横断の旅のもようをお伝えします。
クリフトゥンは美しい自然に包まれた地で国立公園に囲まれ、夏でも人はまばらです。なんとまだ踏み固められてない未踏の地もあり、ふかふかの堆積岩を含む溶けた永久凍土にお目に掛かれます。湾岸線周辺に点在する家々には、岩ブロックの外壁の家や白壁が多く見られます。それぞれ窓枠に塗装を施して、赤やブルーの湾岸にすっきりと映え、どんよりとした空を背に景色を引き締めています。当地は小型馬のコネマラポニー種が有名ですが、その姿はやはり白く、荒涼とした岩肌や草原に絵のようにマッチし、寒さを忘れる美しさです。町はといえば、カラフルな壁面が印象的で親しみやすく、丘を上がると、スパイスガールズやクリントン元大統領も宿泊した古城ホテルに辿り着きます。
次回は綿々と今日まで受け継がれる、この古城ホテルの装飾についてと、各地から来る宿泊客の滞在の様子などをお伝えします。(網村眞弓)


白壁と窓枠色が景色を引き締めるクリフトゥン・スカイロードの家。


青い空と湖水に緑が映えるスカイロードの風景


色鮮やかな外壁の家が連なるクリフトゥンの町並み


永久凍土は北半球の大陸の約20%に広がっている。