景色通信Vol.54『風景について思うこと』

  • 環境色彩研究会
  • 2013年12月20日

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景色通信Vol.54
『風景について思うこと』

永遠なものなんてないのだろうか?人間の一生はあっけないと思う時がある。
犬の人生は人間の約5分の1ということを、訪れた犬島で考えた。そこでは歴史的集落の中へ、突如未来からタイムマシンでやってきたような住人達の家の試作品が見られる。
幼いころから見慣れた地域の景観は、いつまで継続するのだろう。スクラップ&ビルドが当たり前の世に生まれ育った私たちは、故郷の風景を探しにゆく旅でもしないかぎり、原風景に出会うことは少ない。
新しさや便利さ、安全性が優先されることに異論はない。しかし、地域の色を見つけて尊重する色彩誘導を全国で展開してきた今後は、維持向上のための人材育成とシステムづくりが必要であるように思う。
瀬戸内海に浮かぶ人口50人余りのこの島名は、犬に似た巨岩に由来するといわれる。犬島で産出された花崗岩は大阪城築城の頃から使用され、島内では明治時代の銅の精錬所の遺構を活かして、アートプロジェクトも行われている。訪れる見物人が島民数を上回る日が多いこの島。燻し瓦の屋根と虫にも強く耐水効果もある焼き焦がした杉板壁材の民家。島の人々は、とまどっているようでいて温かみある印象を受けた。
老兵は死なず、その心は皆とともに永遠に生きつづける。(加藤進久)


煉瓦づくりの精錬所煙突が犬島のランドマークになっている。


耐久性のよい民家の燻し瓦は、シックでモダンに映る。


古い家並みに先鋭的に誕生する色々な新邸宅が斬新!


とても風格を感じる黒い焼き杉板外壁のギャラリー。