景色通信Vol.65『秋の大内宿』

  • 環境色彩研究会
  • 2017年08月02日

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景色通信Vol. 65
『秋の大内宿』

環境色彩研究会で大内宿の見学会の企画が進んでいるようなので、2010年11月11日に家族で観光した時の様子を報告する。
大内宿は福島県南会津郡下郷町大字大内にある重要伝統的建築群保存地区に指定された旧宿場である。
南会津の山中にあり、江戸時代には会津西街道として、会津藩の参勤交代の宿場として、本陣が置かれた時期もあり、全長約450mの往還の両側に、街道に妻側を向けた寄棟造りの民家が建ち並ぶ「半農半宿」の宿場であったが、参勤交代や物流の街道としても使われなくなり、現在はその雰囲気をよく残した観光地として整備され、田園の中の旧街道沿いに茅葺き民家が整然と並ぶ景観は、日本の原風景を想像させて見事である。
大内宿本陣跡には、下郷町町並み展示館がある。
寄棟造りの民家は、民宿や土産物屋、蕎麦屋などに変わり、多数立ち並び観光客をもてなしている。特に蕎麦に関しては、高藤そばの名で知られており、箸の代わりに葱を用いて蕎麦を食べる風習が見られる。 (永田泰弘)


まるで江戸時代にいるかのような民家の軒先と風景


茅葺き屋根と漆喰の白壁のコントラストで心が落ち着く


江戸へ向かう旅人たちを迎え入れた古くからの町並みが美しい


伝統工芸の家屋は自然となじむ色や形と素材からつくられる