伝統を現代に活かしたJR岐阜前広場の色環境

色風景の詳しい説明

JR岐阜駅前地区再開発の一環である駅前広場は、地上の大規模車交通拠点とスカイデッキによる人の動線を分離した明快な杜の駅広場である。特徴はU字型の抱擁の形のデッキと四方につながる動線である。イベント広場、岐阜の里山を表した市民の憩いのエコ空間、岐阜の伝統建築のエレメント格子をデッキ裏に、その中から伝統産業の灯が、蛇の目傘の形、はては地場産業陶磁器のカラフルな広場から、廃棄汚泥で出来る最も暗い灰色の床タイルを動線に使うなど、岐阜にちなんだ要素が現代の環境に有機的に活かされている。全体の墨色の環境は、喧騒空間を落ち着いたモダン空間に、夜間の灯のメリハリと、有彩色のサインも明快で機能している。

"美しい"と感じる理由や思い出

戦後の我が国ではともすると公共環境も民間も、明度の高い仕上げにしがちだが、落ち着きのない安っぽい環境になる。そこに派手な看板類が加わり、今の日本の雑然とした色環境になった。 本来の日本の日常生活環境は、白黒グレー自然素材色が日本人の容姿や暮らしに調和する基本であるからこそ、祭りなどハレの時には世界1派手で粋な美しい色環境に早変わりする。 この岐阜駅前広場も当初暗いという向きもあったが、実際それは素人の杞憂である。信長のモニュメントの出来ぐあいと、U字型のデッキの長良川を表現したブルーの照明の色環境は俗である。墨色を活かす色環境こそ自然と調和し日本人の感性が蘇る未来を創る。

色風景に出会える時期

いつでも
通年夕暮れ時

色風景に出会える場所

岐阜県
岐阜市 JR岐阜駅前高層ビル展望階階より

居住経験

 

主要な色彩

グレー, 黒, 青, 黄

推薦者

 

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