色風景の詳しい説明
島根県の出雲地方は、出雲風土記の地であり、神話の里でもある。この地は同県西部の石州瓦の産地の石見の國に近く、出雲の国で採れる来待石を釉薬とした赤褐色の粘土瓦で葺かれた屋根の景観に特徴があり、石州瓦は赤みの強い「本来待」から「銀黒」までの色域をもっている。石州瓦は三州瓦、淡路瓦と並ぶ日本三大瓦のひとつであり、1200℃で焼成された耐凍性の良さも特徴の一つである。松江市内などはいぶし瓦が多く使われており、新しい住宅地はスレート瓦系の屋根が多くなっているが、山間部、農村部は石州瓦の赤瓦を用いた民家が多く、広い敷地に塀を廻らせた立派な建物が見られる。建築様式の美と共に、緑と赤瓦と白壁の対比の美しさも感じてほしい。 戦前の「本来待」の赤瓦は、色むらが多く、独特の風情と時代感があったが、現代の機械化された製法では、色が均一になりすぎて、風情が失われた質感になっていることを惜しむ声もある。
"美しい"と感じる理由や思い出
私は太平洋戦争末期の小学3年生から高校3年生までの少年時代を、島根県の松江市と現雲南市で過ごした。戦後は、食糧難の時代から復興に時代となり、農村部の藁葺きの農家は徐々に瓦葺きの家に建て替えられていく時代であり、瓦は出雲に隣接する石見産の石州瓦が用いられ、農村部では赤瓦が好んで採用されて行った。一方、都市部の松江市内は武家の伝統である灰色のいぶし瓦が、品位を重んじて用いられる風潮が見られた。疎開してきた私は、こんな建て替えを羨ましく見ていたことを思い出す。この家は、入母屋造の上に切妻造りの二階建屋が載り、周囲の庇も赤瓦で葺きながら、周囲の塀の瓦は石州の黒瓦を用いる工夫が見られる。私は太平洋戦争末期の小学3年生から高校3年生までの少年時代を、島根県の松江市と現雲南市で過ごした。戦後は、食糧難の時代から復興に時代となり、農村部の藁葺きの農家は徐々に瓦葺きの家に建て替えられていく時代であり、瓦は出雲に隣接する石見産の石州瓦が用いられ、農村部では赤瓦が好んで採用されて行った。一方、都市部の松江市内は武家の伝統である灰色のいぶし瓦が、品位を重んじて用いられる風潮が見られた。疎開してきた私は、こんな建て替えを羨ましく見ていたことを思い出す。この家は、入母屋造の上に切妻造りの二階建屋が載り、周囲の庇も赤瓦で葺きながら、周囲の塀の瓦は石州の黒瓦を用いる工夫が見られる。
色風景に出会える時期
いつでも
雨の日の風情もまた良い。
色風景に出会える場所
島根県
島根県安来市~松江市~雲南市
居住経験
主要な色彩
赤, 緑(赤瓦、赤褐色、背景の緑)
推薦者
永田泰弘
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