江戸城・北桔橋門

色風景の詳しい説明

 江戸城本丸の大奥、天守部分から外部に直接通じる門が北桔橋門(きたはねばしもん)です。  門の横の内濠(平川濠・三日月濠)は防御力を高めるために、ほかよりも深く、石垣は最も堅固になっています。  現在では大手門、平川門と同様に、皇居東御苑(江戸城の本丸・二の丸・三の丸)の入城門となっています。  写真は内側から見た高麗門です。  北桔橋門の両側の高い石垣の上は築地塀(ついじべい)となっています。  この石垣と往時には平川濠側に五十三間多聞という長大な多聞を配し、深い濠で本丸の背後からの攻撃を守ろうとしていました。  さらに五十三間多聞には五十三間櫓が、三日月濠側にも多聞と乾櫓(いぬいやぐら)で睨みをきかせていたのです。  北桔橋門は、通常は橋を跳ね上げた形で、使われることがなく、いざという時の脱出路の確保としての門となっていました。  現在は土橋に変形され、往時とは大きく異なった姿になっています。ここは江戸城の城壁の中でも最も高く石垣の高さは18.5mもあります。  地震などの揺れにも強い自然石を積み上げる野面積み(のづらづみ)になっており、石垣が屈折していて、直線的な部分が少ないのは、高さのある石垣の強度を保つためです。  さらに屏風折(びょうぶおり)にすることで、敵の攻撃に対して2面からの防戦が可能となります。この屏風折は大坂城の高石垣にも見られる構造です。  本丸北面のこの550mにも及ぶ長大な高石垣は、1614(慶長19)年の第二次天下普請の際に、西国大名のすべてが動員されて築いたものです。

"美しい"と感じる理由や思い出

 都心に存在する巨大な江戸城の面影が実感される遺構は城門と、お濠と、石垣と、僅かに残る櫓だけです。
 戦国時代の城の防御の形式が見て取れ、城を守るというロマンが感じられ、出入り口の規模と格式に言い知れぬ美を感じます。
 中世日本の建築美が東京に現存する幸せも感じることができます。

色風景に出会える時期

いつでも

色風景に出会える場所

東京都
東京都千代田区千代田

居住経験

なし

主要な色彩

白, グレー, 茶

推薦者

永田泰弘

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