150年も港を見守る旧新潟税関庁舎

色風景の詳しい説明

旧新潟税関庁舎は、新潟港の税関として明治2年に建てられ、開港五港の中では現存する唯一の庁舎ということで国指定史跡・国指定重要文化財となっています。新潟港は河口港として知られていますが、この税関は信濃川左岸のヨシが生い茂る川岸を埋め立てて造られ、昭和41年まで100年間にわたって使用されてきました。運上所の庁舎のデザインは、先に建造された横浜などの洋風建築をモデルに、地元の大工たちが当時の建築技術を駆使して見よう見まねで仕上げた擬洋風建築です。150年間に渡って、港を行き来する船や港町の変化を見守り続けてきた新潟港のシンボルと言えます。

"美しい"と感じる理由や思い出

庁舎は木造平屋建ての寄棟造りで、屋根は赤茶色の瓦葺き、真っ白な漆喰をかまぼこ型に盛り付けたなまこ壁をもち、窓や扉は鮮やかなベンガラ色で塗装された両開きの鎧戸となっています。中央の白いアーチ状のエントランスの上には塔屋があり、これを挟んで建物全体がシンメトリーに構成されています。このシンボリックな佇まいは、遠くの外国船からも印象的に見えたに違いありません。初冬の薄曇りの夕方、松の木の間から覗く白と赤に、ハッとさせられました。

色風景に出会える時期

いつでも

色風景に出会える場所

新潟県

居住経験

なし

主要な色彩

白, グレー, 赤, 緑

推薦者

川澄未来子

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