広島・不動院の柿葺きの屋根

色風景の詳しい説明

 新日山安国寺別格本山不動院は足利尊氏・直義兄弟が諸国に設けた安国寺の一つで、原爆による大きな被害も受けず広島市内に現存する唯一の国宝建造物です。  金堂は天井の墨書から天文9年(1540年)の建築とされます。  屋根は入母屋造、柿(こけら・薄い板)葺きです。二階建てのように見えますが、構造的には一重裳階(もこし)付きの建物です。  不動院は密教寺院ですが、金堂の建築様式は典型的な禅宗様式(唐様)であり、内部を土間床の一室とする点、中央を鏡天井とし、その周囲にぎっしりと組物が並ぶ天井の構成、桟唐戸、花頭窓、礎盤付き柱、扇垂木等に禅宗仏殿特有の形式が見られます。  この堂は当初から不動院にあったものではなく、もとは山口市にあった禅宗寺院で大内氏の菩提寺であった凌雲寺にあり、それを天正年間に安国寺恵瓊が当地に移築したものです。

"美しい"と感じる理由や思い出

日本色彩学会会員で、大成建設の社員であった故杉本賢司環境色彩研究会主査の墓参の折りに撮影しました。不動院のこけら葺きの屋根の改修は、杉本会員が関わられた仕事であった縁で、研究会の有志とともに見学会を企画し訪れたもので、こけら葺きの美しさが実感されます。

色風景に出会える時期

いつでも

色風景に出会える場所

広島県
広島市東区牛田新田3-4-9

居住経験

なし

主要な色彩

推薦者

永田 泰弘

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