報告:2008年11月15日(土) 島津勝弘先生 講演会「情報としての色彩、環境としての色彩」 

  • くらしの色彩研究会
  • 2008年12月11日

11月15日(土)に、今最も旬な環境色彩デザイナー島津勝弘先生をお迎えし、講演会を開催しました。各種団体様の後援も頂き、80名を超える盛況な会となりました。
最初に、色には情報として「伝える色」と、身体に浸透してくるような「伝わる色」があるという島津先生のデザインの基本ともいえる考えを話され、欧米のサイン・色彩デザインと新宿などサインが乱立する日本の現状をスライドで対比して紹介。「伝える」から「伝わる」にしていくためにはどうしていくかという問題提起をされました。
続いてマスコミでも注目を浴び、富山市の都市環境づくりの骨格ともなったライトレールPORTRAMのトータルデザインや今年のグッドデザイン賞を受賞した今庄小学校はじめ、各地の病院や学校のサイン・色彩デザインの実例を数十枚のスライドを使って紹介。「誰のための空間か」「空間が変われば人が変わる」という視点で「予測と気配り」がデザイナーには求められるとし、サイン・色彩コンセプトに基づき自治体や施主を納得させ、計画全体をコントロールしてきた話には感動を覚えました。その原動力が「富山を愛する気持ち」と「誰のための空間か」という問いかけにあるのを強く感じた講演でした。

写真提供 島津勝弘氏:「富山ライトレールの誕生」鹿島出版より
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