「うだつの上がる街並み」見学会 (2010.1.17報告)

  • くらしの色彩研究会
  • 2009年10月25日

爽やかな秋風が吹く10月25日、美濃市「うだつの上がる街並み」見学会が開催されました。

「うだつ」とは、屋根の両端を一段高くして火災の類焼を防ぐために造られた防火壁のことで、美濃市には日本で最も多くこの「うだつ」が残っています。裕福な家しか「うだつ」を造ることができなかったため、「うだつが上がらない」の言葉ができたそうで、江戸時代から明治時代に築かれたこれら伝統的な建造物を見学するための今回の企画でした。

手打ちそばの昼食後、ボランティアガイドさんに街並みを案内していただきました。

まずは財の旧今井家住宅を見学。往時の繁栄を今もとどめる豪壮な和紙問屋の、部屋や蔵などを見てまわりました。天井の明かり取りにより部屋は明るく居心地の良いように工夫されており、その造形美に皆で感心しました。情緒あふれる庭の水琴窟の涼やかな音色に聞き入った後、造り酒屋の小坂家住宅など軒を連ねる様々な商家の古いたたずまいを楽しみました。

陽が沈むと、ここは明かりがやさしく灯る幻想の美濃和紙の世界になります。あかりアートに見送られながら帰路に着き、満足のいく一日が終わりました。

日本の伝統美を大切に育み守っているここ美濃は、伝統と新しさが同時に息づく素敵な街でした。