景色通信Vol.21『晩秋… 散りゆくものの光景』

  • 環境色彩研究会
  • 2009年11月30日

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景色通信Vol.21
『晩秋… 散りゆくものの光景』

11月21日、東京。自然が少ない大都会東京も気をつけて見ると、街路樹や公園の樹木、民家の庭の植木など結構多彩な緑がある。全て人手の入った自然であるために、変化に富んだ眺めを楽しむことができる。
大都会の緑は四季それぞれに街並み景観のアクセントになっているが、晩秋に黄葉して、これから散って行く時間を待っている木々の姿は、最も深い風情を感じさせてくれる。日々色彩を変化させていく最後の華やかさの中に侘び寂びに通じるものがあり、それに感情移入しそうな自分を見いだすこともある。命を終える寸前を華やかに紅葉していくものもあれば、樹上で朽葉色に変わっていくものもある、散りゆくものの寂しさの風景。これも大都会のなかの一つの景色通信であろう。(永田泰弘)

銀杏に桜や欅、プラタナス… 池の中の落ち葉にも季節を感じる。