景色通信Vol.22『下町情緒残る古い町並み・四間道の景色』

  • 環境色彩研究会
  • 2019年07月16日

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景色通信Vol.22
『下町情緒残る古い町並み・四間道の景色』

名古屋駅近くに今も下町情緒が色濃く残る古い町並み「四間道」(1986年名古屋市町並み保存地区に指定)があることを耳にし、どうしても観たい思いに駆られ、環境色彩研究会INAXライブミュージアム見学に行く前日、ぶらり四間道かいわいを歩いてみました。
四間道は1610年、名古屋城築城とともに始まった清洲越し(武士・町人・寺社などが町ぐるみで移動)にともないできた商人町で、1700年の大火後に防火と旧大船町商人の商業活動の為に、四間の道路に広げたことから名前がついたようです。石垣の上に建つ土蔵群や通りに面して軒を連ね立ち並ぶ町家は、面としての美しさが観て取れました。また自然素材ならではの朽ちていくさまや古びるさまの、何ともいえぬ味わいある美しさを満喫することができて大変感動しました。改築や新築の建物は新建材を使用しながらも外装は色相に秩序性を持たせ、周辺との調和を図るなど配慮され、改修・修景にも街並み形成の為に四間道の町としてのアイデンティティーをしっかり持ちながら、歴史的建造物を保存・発展させている努力が感じとれました。都会の中の情緒ある美、心和む景色でした。(高松智子)

四間道(しけみち)、元禄の大火を教訓にした防火法の道幅に由来。