2017年3月25日(土)武山良三氏講演会「街の魅力を高める屋外広告物のデザイン」

  • くらしの色彩研究会
  • 2017年03月27日

武山良三氏講演会
「街の魅力を高める屋外広告物のデザイン」
─“けばけばしい”を“華やかな”に変換する手法─

やわらかな春の日ざしが心地よい平成29年3月25日(土)、日本福祉大学名古屋キャンパス南館5階にて、富山大学芸術文化学部教授・学部長 武山良三氏による講演会が開催された。
まずは、屋外広告物が景観形成の悪者になぜなるのか、けばけばしさの要因について話された。それは「屋外広告物は邪魔にも華やかさにもなる“諸刃の刃”のような存在で、広告主の「儲けたいというエゴ」が見えるとけばけばしさにつながる。」という内容であった。
また、様々な事例についても紹介していただき、なるべく要素を減らすこと、広告物そのものだけではなく背景となる建物や町並みの意匠にも配慮すること、素材に工夫すること、企業間の競争で景観を向上させること等、広告物を“けばけばしい”から“華やかな”に変換するための具体的な手法についても説明していただいた。
さらに「華やかさに向けた方策」として、モラルの活用により広告物を質的にコントロールすることが創造的な社会へとつながり、それには地元住民や事業者の参加がかかせないことも学んだ。「色」が、それを扱う人や企業により、不快なものにも美しいものにも変わる・・・この講演会は、「色」を囲む様々な要因ひとつひとつの大切さを再認識する、大変良い機会になった。
武山氏のユーモアあふれる軽妙な語り口で、受講者の楽しげな笑いに包まれた2時間半。長時間の講演会にもかかわらず、あっという間に過ぎた充実の時間であった。