2017年7月29日(土)渋谷典子氏講演会「源氏の彩り」

  • くらしの色彩研究会
  • 2017年07月31日

金城学院大学 栄サテライトにて、渋谷典子氏講演会「源氏の彩り」が開催された。
まず、「源氏物語」の概要として、著者である紫式部のプロフィールや物語の構成の説明があり、その後から王朝時代の色彩の宝石箱を覗き込むような素晴らしい時間が始まった。
「源氏物語」は大きく三部にわかれるのだが、今回は第一部である光源氏の前半生、「桐壺」〜「藤裏葉」に出てくる多彩な色彩表現について、お話いただいた。葡萄染、今様色、櫻や浅縹、青鈍・・・様々な伝統色が、かさねの色目や衣の写真と共に展開されていき、姫君たちの衣装や心情を表現する文章から広がる色彩の世界にうっとりした。
また、紫式部が登場人物の姿・形・性格までも色で表現していることから、「紫式部は、現代でいうパーソナルカラーを操るカラーリストではないか?!」という講師の意見も大変興味深かった。
源氏物語に多く使われる「紫」の事例についてもお話いただいた。例えば紫は、人と人との特別な結びつきを表現していたり、あるいは格式があるものとして使われていたり、または古めかしいものを象徴するものであったり、源氏物語はまさに「紫のゆかりの物語」なのである。
あっという間の1時間半。匂うように艶やかな千年前の色彩の世界を通して、「色」を楽しむ素晴らしさを再認識できた時間であった。