「アニメーションと色彩-3DCGIにおける光の重要性」開催報告

  • くらしの色彩研究会
  • 2022年04月21日

2022年3月27日(日)美しい日本の色彩環境を創る研究会(LOJ)くらしの色彩研究会(LC)共催
-第4回研究会「アニメーションと色彩‐3DCGIにおける光の重要性」開催報告

 美しい日本の色彩環境を創る研究会(LOJ)とくらしの色彩研究会(LC)の共催で、大阪芸術大学 芸術学部キャラクター造形学科 非常勤講師の森友令子氏を迎え、第4回研究会 「アニメーションと色彩‐3DCGIにおける光の重要性」をZoomによるオンライン形式で開催し20名が参加した。
 初めに、2D・デジタル・セルアニメーションでのアニメーションの制作工程を映像で確認しながら解説された。アニメーション制作における美術設定・色彩設計・色指定・彩色・背景・CG・特殊操作・エフェクトがとても重要なことを知った。3DCGIでは、アニメーション映画作品を事例に、制作パイプラインの11製作工程を順番通りに進むのではなく、各工程を行き来し精度を高めながら完成に至るため、膨大な時間と高機能のPCが必要であり、工程の中では、サーフェイス(オブジェクトの表面を再現)・ライティング(光源・照明の効果・シーンの強弱)が重要で、特にライティングでは、カラースクリプトが物語の展開や感情を左右することを説明され、ライティングの重要性を感じた。
 続いて、アニメーションソフトウェアのMayaを実際に操作しながら、3DCG制作ではマテリアル・テクスチャ―の質感は色彩が世界観を構築することを示された。さらに、3DCGIと色彩について、映画作品を事例に、優れたライティングは、細かな動きをリアルに見せるために欠かせないこと、クリエイティブコントロールは作られた世界を自然に真実性のあるものにするために重要であることを説明された。
 最後に、ライティングの抱える課題として、光に対する認識や作為、クリエイティブコントロールの難しさなどを示された。全体を通して、映像を使用しながらアニメーションにおける色彩の重要性を丁寧に説明され、充実した研究会となった。
 「今回紹介されたノウハウをエンターテインメントの世界だけでなく、他のデザイン・色彩分野の表現にでも活かしていきましょう」と、林英光顧問の言葉で締めくくられた。 

福井陽子(くらしの色彩研究会会員)